日本のヘルスリテラシーの現状

ヘルスリテラシーは世界中でホットな話題であり、一般個人のヘルスリテラシーを向上させる取り組みが行われています。しかし、日本は他国に比べてヘルスリテラシーが低いと言われているのが現状です。例えば、ヨーロッパなどを中心に設けられた尺度を用いてヘルスリテラシーのレベルを点数化すると、最上位のオランダに比べ、日本は3分の2程度の点数しか取れません。点数が乖離した部分を見てみると、ヘルスケアに関する正しい情報を入手して理解し、評価する点で日本は苦戦していることがわかります。

一例を見てみると、気になる病気の症状に関する情報を見つけることに難しさを感じる日本人は46パーセントです。一方、オランダでは約7パーセントの人しか感じていません。また、自分に必要なヘルスケア情報の理解度の点では、医者から言われたことを理解するのが難しいと感じる日本人が44パーセントに上ります。反面、オランダでは約9パーセントと低くなっているのが実態です。

日本のヘルスリテラシーが低い要因の一つが、プライマリケア制度の構築が遅れていることでしょう。プライマリケアとは、身近にあり、何でも相談にのってくれる総合的な医療を指します。医療機関が診療科別で分かれている現状では、患者が自分の健康や気になる点について、幅広く相談しにくいことがかかりつけ医の必要性を感じない原因となっているようです。この点が、かかりつけ医によるプライマリケアが充実しているオランダとの大きな違いに繋がっています。