ヘルスリテラシーとは、健康情報の意思決定をする能力のことを言います。このヘルスリテラシーには種類があり、機能的リテラシーと相互作用的リテラシー、批判的リテラシーの3つです。この3つはレベルによる違いがあり、最も基本的なのが機能的リテラシーで、より高度なものが相互作用的リテラシーとなっています。機能的リテラシーは、日常生活での読解力のことを意味し、健康情報の理解やこれを活用した医療保険の利用などのことです。
また、相互作用的リテラシーは人と人とのコミュニケーションによって得た情報を理解し、現状に合わせて活用していく能力のことを指します。そして、批判的リテラシーは健康情報を反対の立場からの視点で解釈し、社会の状況と周りの環境を把握して現状を変えていく能力のことを意味します。これら3つのリテラシーが必要となる理由は、自分自身だけでは状況を変えられないことが多々あるからです。このような場合、周囲とコミュニケーションを取りながら現状を変えていく必要があります。そのためにも、3つのリテラシーすべてが重要なのです。
特に重要視されているのが、批判的リテラシーでしょう。健康情報が本当に正しいのか、適切な医療が施されているのかなど、客観的に自分自身の置かれている状況を把握することで、現状を変える大きな力となります。ヘルスリテラシーを向上させるためにも、医療従事者としてわかりやすい情報提供を心掛け、健康に関する理解促進に向けた取り組みを行うことが大切です。